独学で税理士試験は合格できる?

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税理士試験合格者のほとんどは受験予備校に通って勉強しています。
受験予備校の中でも、TACか大原に通っている人がほとんどです。
私は、TAC生ではなかったのですが、TACと提携してTACの教科書を利用している受験予備校に通っていました。
ここで気になるのが、「独学では税理士試験に合格できないのか?」ということです。
独学での税理士試験の合格は可能かどうか考えてみました。

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税理士試験の受験予備校

冒頭でもお話ししましたが、税理士試験合格者のほとんどは受験予備校に通っており、その中でもTACと大原に通っている人が大半を占めます。
では具体的にどれくらいの割合かを調べてみました。

まず、大原ですがホームページ上の合格実績では次のようになっています。

2018年度(第68回)税理士試験大原生官報合格占有率

60.1%(全国官報合格者672名中404名)

※大原生合格者は、全国大原グループにおいて合格するための授業、模擬試験等がすべて含まれたコースで、税理士試験合格に必要な受験科目の半数以上を受講した方を対象としています。
◎資格の大原の合格実績には、公開模試のみの受講生、出版教材のみの購入者、資料請求者、情報提供のみの登録者、無料の役務提供者は一切含まれておりません。

引用:資格の大原

大原生が官報合格者の半分以上を占めているのがわかります。

またTACの場合は次の通りです。
ただ、TACの場合は2018年度のデータを公表していないので、前年(2017年度)のデータになります。

2017年度(第67回)税理士試験TAC本科生合格者

33.0%(全国官報合格者795名中263名)

※TAC合格者とは、TACにおいて合格のための講義、公開模試等がすべて含まれたコースで、税理士試験合格に必要な受験科目の半数以上を受講された方を指します。T
◎TAC合格者には、直前対策のみの受講生、公開模試のみの受講生、出版教材のみの購入者、資料請求者、情報提供のみの登録者、無料の役務享受者は一切含まれておりません。

引用:TAC

大原と比べると劣りますが、3人に1人がTAC生です。

年度が違うので単純に合計できませんが、仮に同じだとして合計すると、
60.1%(大原)+33.0%(TAC)=93.1%となります。

その他の6.9%にはLECやネットスクールなどの他の受験予備校生や独学で合格した人が含まれています。
ちなみに私は、TACや大原で大半の科目を合格したわけではないので、その他のうちのひとりです。
(相続税法だけは大原ですが)

税理士試験において、多数派になることはとても重要です。
なぜかというと、税理士試験は絶対試験ではなく相対試験だからです。
毎年、受験生のだいたい上位10%前後が合格となります。
相対試験で上位になるには、
「誰もできない問題を正解するよりも、みんなができる問題を確実に正解すること」
が大切になってきます。
みんなができる問題を確実に正解するには、みんなが通っている受験予備校に通うのが近道です。

しかし、受験予備校に通う最大のデメリットは「費用がかかる」ということです。
だいたい1科目あたり20万円くらい必要です。
5科目通えば100万円。
1回で合格すればいいのですが、もし不合格があった場合はそれ以上に費用がかかります。

決して安い金額ではないので、独学を考える人も多いと思います。

 

独学での勉強法

独学のメリットは受験予備校に比べて費用が安いということです。

例えば簿記論の教科書をを独学で揃えようと思うと、TACの
「みんなが欲しかった!税理士」
とシリーズがあります。
みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (1) 損益会計編 2019年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (2) 資産会計編 2019年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (3) 資産・負債・純資産会計編 2019年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
みんなが欲しかった! 税理士 簿記論の教科書&問題集 (4) 構造論点・その他編 2019年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)

全部揃えても15,000円以下です。

この「みんなが欲しかった!税理士」シリーズは、簿記論・財務諸表論・消費税法があります。

その他問題集として、TACからは次のものが販売されています。
税理士 1 簿記論 個別計算問題集 2019年度 (税理士受験シリーズ)
税理士 2 簿記論 総合計算問題集 基礎編 2019年度 (税理士受験シリーズ)
税理士 3 簿記論 総合計算問題集 応用編 2019年度 (税理士受験シリーズ)

大原から販売されている問題集は次のものがあります。
2019年 税理士試験受験対策シリーズ 簿記論 個別計算問題集
2019年 税理士試験受験対策シリーズ 簿記論 総合計算問題集 基礎編
2019年 税理士試験受験対策シリーズ 簿記論 総合計算問題集 応用編

簿記論や財務諸表論に関しては、これらをしっかりやっていけば合格レベルに達することは十分可能だと思います。

会計科目はこれで良いのですが、問題は税法科目です。
税法科目は、今まで一般販売されている教科書がありませんでした。
しかし、最近は「税理士試験必修シリーズ」というものがネットスクールから販売されています。
「税理士試験必修シリーズ」は、簿記論・財務諸表論に加え、法人税法、消費税法、相続税法、国税徴収法の6科目が販売されています。

例えば、法人税法の教科書は以下のものがあります。
税理士必修教科書&問題集 法人税法基礎導入編【2019年度版】
税理士試験必修教科書 法人税法 基礎完成編【2019年度版】
税理士試験必修教科書 法人税法 応用編【2019年度版】

また、理論テキストもあります。
税理士試験必修理論対策 法人税法 【2019年度版】

そして、問題集は次のものがあります。
税理士試験必修問題集 法人税法 基礎完成編【2019年度版】
税理士試験必修問題集 法人税法 応用編【2019年度版】

ただ、税法科目に関しては、これらだけで合格レベルまで達することは厳しいと思います。
圧倒的にアウトプット(問題演習)が足りないからです。

受験予備校では5月からの直前期から本試験まで、に週2回のペースで本試験を想定した問題を解いていきます。
その中には、本試験での理論の予想が含まれます。
合格者レベルに達する人は、この問題で出た理論は確実に覚えてきますので、もし本試験でその理論が出た場合は、独学者は不利になります。

ですので、独学の場合でも5月開講の直前対策は申し込んだ方がいいと思います。

例えば、大原の場合、直前対策パックと模擬試験パックがありますが、直前対策パックが50,000円から80,000円くらい、模擬試験パックだと35,000円くらいです。
違いは問題演習の数です。
金銭的に余裕があれば、直前対策パックをオススメします。

 

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強い意志があれば独学でも可能

現在は独学でも教科書や問題集を揃えることができますので、独学で合格することは可能だと言えます。

しかし、受験予備校に比べて圧倒的に不利です。
独学が不利な点として次のものがあります。

勉強のペースが掴みにくい

受験予備校の場合は、週2回の授業があり、次の授業までに宿題が出ます。
その宿題を確実にこなしていければ合格レベルに達することができます。
独学の場合は、自分で計画的に勉強を進めていかなければなりません。

やる気が持続しにくい

税理士試験は長丁場です。
初めはやる気があっても、だんだんやる気がなくなっていくのが人間です。
受験予備校に通えば、一緒の目標に向かって頑張る仲間ができます。
また、この人には負けたくないというライバルもできるかもしれません。
そうすることで、やる気を持続させることができます。

情報が得られにくい

受験予備校の場合は、わからないことを直接講師に聞くことができますが、独学の場合は自分で調べるしかありません。
答えが見つかればいいのですが、見つからないこともあります。
また、本試験に合格するためのテクニックなどは独学では得られないものがあります。
受験予備校の講師は合格するためのテクニックに熟知しています。

 

このように、独学は受験予備校に比べて圧倒的に不利です。

 

まとめ

税理士試験の独学について見てきました。

私自身は、独学での受験はあまりオススメしません。
独学で合格するには何があっても諦めない強い意思が必要ですし、合格できたとしても時間がかかる恐れがあるからです。

税理士試験の合格は税理士になるための過程であって、ゴールではありません。
そう考えると、長い人生においては税理士になってから何をするかの方が重要です。

ただ、独学で合格することが不可能ではない時代にはなってきたと思いますので、独学と受験予備校を併用したり、それぞれの事情にあった最適な選択をしていただけたらと思います。

 


□編集後記□
最近、ブログネタをどうするか悩むようになってきました。
書き出してしまえばたくさん書けるのですが、書き始めるまでに時間がかかります。
いろいろと情報収集に出かけなければならないです。

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